トペトロとの50年―ラバウル従軍後記
![]() | トペトロとの50年―ラバウル従軍後記 (中公文庫) (2002/07) 水木 しげる 商品詳細を見る |
水木御大が戦争中にラバウルで出会った少年トペトロと、30年後に再会し、死別するまでの交流。
それは本の後半部分で、前半はほとんどデビュー前のスケッチやイラストで占められています。
鬼太郎世界のモデルだというトペトロたちトライ族。
御大は彼らを”土人(土の人)”あるいは”森の人”と呼び、とても親しみと興味を持ち、羨ましがってもいるようです。
戦争中から始まりその後会いに行ったときにもとても親切にしてくれたトペトロへの恩返しを満足にできなかったという後悔の雰囲気が文章に漂っています。
余談ですが、どうも掲載されている写真が足りないような気がします。
本文で写真について触れられている部分がありながら、その文が示す写真が無いみたいなんです(約2箇所)…。
玩物草紙
![]() | 玩物草紙 (中公文庫) (1986/03) 澁澤 龍彦 商品詳細を見る |
昭和53年(1978年)に『朝日ジャーナル』に連載されたエッセー。
文庫版のあとがきによれば、「幼児体験を博物誌風に記述したもの」とのこと。
軽い読み物なので、空いた時間にでも、目に留まった項目をつまみ読みするとよろしいかも。
目次を書いておきます。
裸体
虫
沼と飛行船
ミイラ取り
枕
蟻地獄
星
神のデザイン
家
反対日の丸
ポルノ
変身
花
ピストル
体験
テレビ
猿の胎児
天ぷら
美術館
書物
劇場
童話
地球儀
猫と形而上学
男根
カフスボタン
輪鼓(りゅうご)
夢
燃えるズボン
衣装
異端の肖像
![]() | 異端の肖像 (1983年) (1983/06) 澁澤 龍彦 商品詳細を見る |
ヨーロッパ史上の”異端”と呼べる7人の生涯を紹介したエッセイです。
文庫版のあとがきによれば、この本は、昭和41年(1966)に雑誌に連載された6篇に昭和34年(1959)に雑誌に掲載された1篇を加えて昭和42年(1967)に単行本として刊行されたものであるとのこと。
そして文庫になったのはその16年後の昭和58年(1983)です。
また古い本を引っ張り出してしまいました…。
なんとなく、文章から若さを感じます。
著者自身もあとがきに『とくに若書きの「デカダン少年皇帝」などは晦渋で、自分でも閉口するほどだが、若さに免じて許して』と書いています。
若い頃の氏の本は、結論として「バタイユ読め」ということみたいです…。
- [本書で紹介されている人々]
- バヴァリアの狂王──「ルドヴィヒ二世」(19世紀ドイツ)
- 二十世紀の魔術師──「ゲオルギー・イヴァーノヴィッチ・グルジエフ」(20世紀ロシア)
- 生きていたシャルリュス男爵──「ロベール・ド・モンテスキウ」(19世紀フランス)
- バベルの塔の隠遁者──「ウィリアム・ベックフォード」(18世紀イギリス)
- 幼児殺戮者──「ジル・ド・レエ」(15世紀フランス)
- 恐怖の大天使──「サン・ジュスト」(18世紀フランス)
- デカダン少年皇帝──「ヘリオガバルス」(3世紀ローマ)
エロティシズム
![]() | エロティシズム (中公文庫) (1996/11) 澁澤 龍彦 商品詳細を見る |
哲学や心理学の方面から、”エロティシズムとは何ぞや”と考察する本です。
昭和42年(1967)の週刊誌の連載がまとめられたもので、その17年後の昭和59年(1984)に文庫化し、著者のあとがきが添えられています。
そこには、当時の著者はフロイトのエディプス理論やサルトルの実存主義やバタイユの哲学などに影響されていたこと、読み返してみると自分でも驚くような意見が書いてあるということ、またそれは現在の著者の意見とは認めがたいということが記されています。
つまり、とても古い本なのです…。
フロイト、サルトル、バタイユを読んでいない身なので、これはこれで勉強になりました。





